坐骨神経から分岐する筋枝の解剖学的な特徴について

June 01, 2020

深澤幹典ら:ヒト下肢の「ねじれ」についての肉眼解剖学的考察―坐骨神経から大腿屈筋への筋枝の特徴が示すこと― .第10回臨床解剖研究会記録.22-23,2006

 

坐骨神経は人体最大の神経であり膝の下方へと走行している。大腿の屈筋群へ筋枝を送っており、その分岐形態は多様だと報告されている。臨床的には坐骨神経に関連してくる疾患として腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが挙げられる。

今回の報告では29体46側の御遺体について坐骨神経とそこから分岐する筋枝について起始、走行、分布が詳細に観察された。

大腿の屈筋群のうち大腿二頭筋は唯一坐骨神経の総腓骨神経成分から筋枝を受ける。その分岐する位置を矢状面上で観察すると近位から遠位までで6グループに分けられた。また水平面上で分岐する方向を観察すると近位から遠位に向かって概ね内旋の位置関係を示した。

坐骨神経の脛骨神経成分からの筋枝は大内転筋、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋長頭へ分岐する。これらの筋枝は同一筋へ数本の筋枝を持つこと、また共同幹を形成することが多い。脛骨神経においても水平面上で分岐方向を観察すると近位から遠位に向かって概ね内旋の位置関係を示した。

人の下肢は発生段階で内旋(ねじれ)を生じる。

今回の調査では坐骨神経の総腓骨神経成分、脛骨神経成分からの筋枝は近位から遠位に向かって内旋方向に変化する形態形成的特徴があり、ヒト下肢の発生段階におけるねじれを投影しているとされた。

坐骨神経には総腓骨神経成分と脛骨神経成分があり、そこから分岐する筋枝は内旋の方向へ分岐していることが理解できた。神経の詳細な走行を知ることは超音波画像にて神経を確認する際にも活用することができる。

また神経の走行や筋枝への分岐部、分岐する方向などの特徴を知ることは理学療法における関節操作に活用することもできる。最近では末梢神経の走行に沿ったハイドロリリースなどが行われることが臨床的にも多くなっている。神経の走行を理解することは我々が理学療法を行う上でも重要だと思われる。

 

文責:永田敏貢

準備中

May 13, 2020

これからこのページにスポ支部スタッフが読んだ文献を紹介していきます!

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