特別講演①
『オーバーヘッドスポーツにおける肩関節障害の治療』
講師:吉田 雅人
名古屋市立大学 運動器スポーツ先進医学講座 講師
野球に代表されるオーバヘッドスポーツにおいて、肩関節痛は非常によく起こりうる症状であり、臨床現場においては頻繁に遭遇する。その症状の原因として、関節包の損傷、関節唇の関節内インピンジメント(SLAP)、および胸郭出口症候群(Thorasic outlet syndrome: TOS)および四方形間隙症候群(Quadrilateral syndrome: QLS)に代表される神経の圧迫や牽引などの症状が単独および複数存在する為、その症状は多様である。一方でその病態のほとんどは繰り返しのオーバヘッド動作に伴うオーバユースによる
コンディショニング不良が根底に存在し、さらにそのほとんどが保存治療にて改善し、スポーツ復帰が可能となる。保存療法は理学療法士による理学療法が最も一般的である。我々は理学療法と並行し、医師によるハイドロリリースなどの注射を理学療法士と連携しつつ、治療にあたっている。今回はその内容の一部を報告する。また、保存療法の無効例に対しては手術加療も行っている。我々が行っている手術加療の一部である関節包の修復術および関節包再建術についても報告する。
略歴:
2001年 3月 東京慈恵会医科大学 医学部医学科卒業
2001年 4月~ 東京都立墨東病院 初期研修
2003年 7月~ 名鉄病院 整形外科
2013年 7月~ Centre Hospital Preve, Shoulder Center, Clinical fellow (レンヌ, 仏)
2014年 9月~ University of Pittsburgh, Research Associate (ピッツバーグ, 米国)
2017年 4月~ 名古屋市立大学 整形外科 助教
2020年 4月~ 名古屋市立大学 運動器スポーツ先進医学講座 講師
所属学会:
日本整形外科学会、
日本整形外科スポーツ医学会、
日本肩関節学会、
日本肘関節学会、
日本整形外科超音波学会、
ISAKOS(Shoulder committee member, Sports committee member)
研究テーマ:
反復性肩関節脱臼における肩のバイオメカニクス
肩関節腱板と肩関節唇における超音波診断装置による画像評価、
肘関節靭帯損傷における超音波診断装置による画像評価
その他:
アメリカンフットボールXリーグ名古屋サイクロンズ サポートドクター
Fリーグ 名古屋オーシャンズ サポートドクター
社会人野球王子硬式野球部 サポートドクター
社会人野球東海REXサポートドクター
東邦大学硬式野球部 サポートドクター
東邦高校硬式野球部 サポートドクター